危険な三次喫煙
「三次喫煙」という言葉、少しずつ広まりつつありますが、まだまだ聞いた事もないという方も多いようです。
実は、これが「一番体に悪い」とも言われています。
≪一次喫煙≫
フィルター(多くの場合)を通して、喫煙者がタバコの成分(主流煙)を自分の体に取り入れること
≪二次喫煙≫
火の着いた側から出る「副流煙」が、その場にいる人の体に侵入すること
≪三次喫煙≫
「副流煙」は、その場にある物(壁・カーテン・ソファなどあらゆる物)や喫煙者本人の体(髪や衣類)に付着します。
そして、煙は無いにも関わらす、タバコの成分が付着した物から、揮発・拡散し、それがその場の人の体に侵入することを三次喫煙と言います。
花粉症の症状が家の中でも現れるのは、外気の侵入もありますが、外で体に着いた花粉を部屋に持ち込み拡散しているというのは、よく知られていることです。
また「喫煙後の呼気の中のタバコの成分」が、他者の体に侵入することも三次喫煙です。
喫煙後に、子供や孫を抱きしめれば、その大事な子や孫に、タバコの成分は侵入します。
ベランダで吸っているから大丈夫、という昔の常識は「間違い」ということです。
大切な人に受動(三次)喫煙させないためには、以下の事が必要です。
※ 喫煙後、8時間は近寄らない
※ 近寄る時は、髪を洗い、衣類はクリーニングしたてのものを着用
喫煙後45分という話もありますが、それは二次喫煙(副流煙)が体から薄まるまでの時間で、三次喫煙の防止にはなりません。
もし小さい子供がいて、例えば、祖父母の家に遊びに行く時、その祖父母のどちらかが、普段、家の中で喫煙しているなら、子供を連れていくのは大変危険です。
壁や家具などに、成分が付着しているため、触ったり舐めたりすればそのまま取り込みますし、揮発した成分を呼吸で吸収してしまいます。
また、色んな物に付着したタバコの成分は、他の物と化学反応を起こし、より危険な成分へ変化しているとも言われています。
つまり、フィルターを通して吸う一次喫煙が、一番リスクが低いのです。
二次の副流煙を100倍に薄めて、やっと一次の主流煙と同じくらいだそうです。
もちろん、自分が喫煙すれば、二次・三次の危険は付いてきますが、一緒に生活し、一人だけが喫煙していて、自分は吸わないから、「病気になるのは、順番からいけば相手の方が先だろう」とも言い切れないということです。
たとえベランダで吸ったとしても、多くの場合はすぐに戻ったり、窓の隙間から副流煙が流れ込み。部屋に充満するため、そこにいれば二次喫煙となります。
2人の違いは、一次のみとなれば、リスクの違いは少ないのです。
そして、女性の方がリスクが高いとも言われています。
喫煙者の夫を持つ非喫煙者の女性やその子供(特に女の子)は高リスクです。
そして、日々研究を重ね「よりニオイを少なく・依存性を強く」と改悪された成分は、今後、どれだけ影響が現れるか、まだ分かりません。
「喫煙率が下がっているのに、肺がんが増えている」というのも話題になりましたが、タイムラグと高年齢化を加味したデータでは減っています。
気になる方は、「肺がん・喫煙率」で検索すると出て来ます。
「喫煙=肺がん」というイメージが大き過ぎて見過ごされがちですが、喫煙(受動喫煙)は、あらゆる癌のリスクを高めます。
「自分は吸わない(副流煙も避けている)から関係ない」と思わず、近くに喫煙者がいれば、三次喫煙について理解する事がとても大事です。