「ヒステリー」という言葉への対策

「化学物質過敏症」を訴える人達のことを、ただの「ヒステリー」だという意見をネットなどで目にします。

苦しんでいる人達を全否定する一言に、とても悲しくなり、怒りすら覚えます。

ネットなら無視すればいいですが、時々、生活圏の中にも存在します。

ここでヒステリーを起こしても仕方ないので、冷静に対処していきたいと思います。

ここでは仮に、有害物質を拡散している人を「臭男くん」、苦しんでいる人を「嫌子さん」とします。

「臭男くん」の心理

① 自分は、有害物質にとても強い、又は、本来弱くてもまだ若いため不調を感じたことがない

② 愛煙家、又は、香りの強いものが大好きで、癒しすら感じている

③ あまり病気をしたことが無いせいか、人の痛みを理解できない

④ 他人と自分が違うことがイマイチ解っていない

「嫌子さん」は、2つに分かれます。

① 化学物質過敏症の症状がひどく、毎日毎日、他人が持ってくる有害物質に苦しめられ、「いい加減にして!」と思っている

② 症状はないけど、とにかく「嫌!」

①の場合、本当にどうにかしたいと試行錯誤していると思います。

②の場合、「自分は我慢が足りないのか・協調性がないのか」と自分を責めたり、悩んだりします。

身体の声でお話していますが、「嫌」なら迷わず避けるべきです。

私も、昔は②でしたが、今は①です。

臭男くんが同じ職場などで、どうしても避けられない場合、臭男くんに少しでも改善してもらう、又は上司に相談して味方になってもらう必要があります。

その時の「伝え方」がとても大事です。

いくら、有害物質について、データや決定的な資料を用いて「身体に悪い」と説明しても通じません。

【臭男君】② 愛煙家、又は、香りの強いものが大好きで、癒しすら感じている

つまり、恋している状態です。

その恋をしている相手の悪いところを伝えても聞く耳持ちません。

そして、恋していないはずの上司(第三者)は、「人の恋路を邪魔できない」という、おかしな心理になります。

「好き」は「すばらしく、応援すべきもの」で、「嫌い」は「わがままで、我慢すべきもの」という、多くの人達に植え付けられた思考は、それが「毒物や有害物質」であっても、「国が認めているもの」である限り、変わりません。

「個人の自由だから」と一蹴されることも、よくあります。

この時、「私がこんなに苦しんでるのに、なんで上司(第三者)は臭男君の味方ばかりするの!」と感情的になりがちですが、この上司(第三者)の心理が分かれば、対処もしやすくなります。

【臭男君】④ 他人と自分が違うことがイマイチ解っていない

嫌子さんとの違いは、好きとか嫌いとかの感情の違いだと思っています。

遺伝子(DNA)で決まっている「強い」と「弱い」でお話していますが、違いは感じ方ではなく身体です。

相手の気持ちを変えるには、相手を責めたり、正論をぶつけたりせず、こちらの事情を正しく伝え、お願いするのがいいそうです。

「嫌い」は、なるべく隠して(ワガママと勘違いされないよう)、「困っている」を前面に出しましょう。

「お酒に強い・弱いがあるように、有害物質にも強い人と弱い人がいる」と言うと伝わりやすくなります。

そのことを理解してもらった上で、「私は弱く、辛いので、遠慮して(具体的な希望)もらえませんか?」と続けます。

「してください」ではなく、「してもらえませんか?」と疑問形にするのもポイントです。

「してください」は、嫌子さんの意思を強く押す命令のようなイメージなので、反発しやすく、「してもらえませんか?」と言うと、臭男君に選択権があるので、言われた方は、嫌な気がしにくいそうです。

私たち、苦しんでいる人たちは、苦しんでいるがゆえに、自ら情報を探し、知れば知るほど危険なものだと解り、それを一人でも多くの人に伝えたくなります。

情報をたくさん得た私は、無敵で、何を言われても「論破」できる自信があります(笑)

ただ、社内規定などで「完全に禁止」などの強い処置が出来ない限り、「論破」は、逆効果になります。

人は「論破」されると、「次は負けないように、どう言い返そう」とその材料を探す事に集中します。

最終的に「個人の意思」となれば、逆に壁を強固なものにしてしまいます。

「あなたも、そうなる可能性があるよ」と伝えたところで、「タバコは身体に悪い」のを承知で止めない人に、効果はありません。

悔しい思いはありますが、「悪い」ものを正しく「悪い」と伝える事より、「困っている」人がたくさん居る(自分だけがおかしいのではない)事を正しく伝え、まずは「お願い」し、楽しくおしゃべりしている中で、「最近の消臭剤は鼻を麻痺させるらしいよ」などと、少しずつ、知ってもらう方が効果的です。

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